「このおじさんがエモい!」2022

「このおじさんがエモい!」2022

こんにちは。北海道から福岡まで、全国各地で謎にリテラシーの高いイベントを開催している変態文学大学生です。

具体的には、古今東西の変態本を純文学や漫画という括りなしでわたしが持参し、それを眺めながら、飲みたい人は日本酒を飲みながら、変態話をしっぽりする、というイベントです!

これがイベントの時フォロワーが撮ってくれたわたしです。

この顔を見てくれたらわたしがどういう気持ちでイベント開催してるか分かりますよね?

はい、己の欲望のためです。

日本酒を浴びるようにのみ、拗らせた変態たちを収集する。

そんなイベントを去年あたりから行っているのですが、2022年は特に多動ムーブがすごく、全国駆けずり回って開催していました!

その甲斐あって多種多様な変態を観測できたので、おじさんマニアとしての観点も盛り込んで、「この変態がエモい2022」という形で発表してみたいと思います。

プライバシー保護の観点から色々ぼかしながら紹介します。

それでは行きます!

嘔吐おじさん、襲来。in東京

大学に復学したため北海道に閉じ籠っていた変態。

FRIDAYグラビア掲載の関係で東京を訪ねることになったので急遽イベント開催するも、オープン前に列をなすほどの大盛況でありがたい限りでした。

こんな感じのレア貴重本揃えてます

かなり大盛況だったので細かい話はあまりできなかったこの回。

ファンレターをくれたおじさんがいました。

しっかりスーツを着用し、メガネをかけたそのおじさん。

長髪だったので、サラリーマンにしちゃ髪が自由だな、なんてスーツを訝しがっていましたが、

後から確認したところ、自営業でしかもその日は仕事をしていたわけではないため、スーツは趣味できていただけだった模様。

行き過ぎたくらいの丁寧な口調でアカウント名を告げられました後は、積極的に話しかけてくるわけでもなく、大人しそうな方でした。

ただ一つ覚えているのは、お酒の失敗の話を数人でしているときに、

「ゆきのさんは、いつもたくさん日本酒を飲まれていますが、吐いちゃったりはしないんですか?

という質問をもらったことです。

「最近は成長したので吐くまで飲んだりは減りました〜〜」

と普通の会話として処理。

ファンレターは丁寧なものでした。

パソコンで打ったものを印刷して、最後には直筆で署名。

学校で配られる手紙のように書き出しは時候の挨拶です。

自分の身分を明かした上で、お仕事のお誘いのようなものもありました。

最後の段落にそれは起こりました。

そう、変態はいつも恋のように突然に。

「余談ですが、女性の嘔吐を介護するのが大好きです。」

え?余談にも程があるのでは・・・?

谷崎潤一郎の「饒太郎」の終盤の急なマゾヒスト告白を思わせる唐突さです。

食べたものを吐くという生き物の本能に反する行為の背徳感と罪悪感、酩酊状態の相手に芽生える母性、真っ青だけど真っ赤な頬、吐瀉物が喉からせり上がる時の独特のリズム、ビニール袋に溜まっていく確かな重さと温度。」

続くゲボへの、愛なしでは表現不可能な文学的表現にわたしはすっかり魅了されてしまいました。

そして、あの質問の本当の意味を知ったのです、あの、日常に巧妙に埋め込まれた、何気ない問いの意味を・・・

このイベントの後の変態の様子です

三択おじさん、襲来。in京都

関西は何度もきたことありますが、イベントは初開催です。

大阪・滋賀・名古屋・兵庫・岡山など遠路はるばるきてくれた方も満載で感謝いっぱいの変態。

この回はとにかく老若男女キャラが濃く、変態性が強めで完全に変態の社交場と化していた回でした。

名古屋からきてくれたフォロワが持参してくれた変態レア本

会も終盤、これまたスーツをしっかり着こなした姿勢が過剰に良いオジサンが元気よく入場

いかにも電車に毎朝揺られてそうなザ・サラリーマンな見た目に反して、目がありえんくらいギンギンでしたが、

着席より先にイベントバーの店長さんにこれまた過剰に丁寧な口調で話しかけていたので業者の人?と思ってました。

お客さんなのかよくわからないので会釈したところ、

「ひとつお聞きしてよろしいでしょうかァァァ!?!?!?」

と、尋常でないテンションと共に持参のタブレットの画面を見せてきました。

「この中でギリギリ許せるのはァァァ!?!?」

あまりの脈絡のなさかつ、拗らせた質問に心の底から笑みが溢れ出てしまう変態は、

「全員許します」

と女の大敵みたいな人生を歩んできた文豪全員を天使の心で許してしまいました。

あとから考え直すと森鴎外は許せないのですが・・・

話してみると、宗教的理由から遠藤周作が好きとのこと。

恐れを知らない変態は遠藤周作の最強変態小説『月光のドミナ』をあえて一発目に話に出してみました。

「あァァァれフェチくさいですよねぇぇぇぇぇエエエエ!!!!!」

と、とんでもないテンションの回答が返ってきました。

「フェチくさい」って言葉、積極的に使っていこう。

タブレットでわざわざ3択を表示させることに何か意味はあったのか。

様々なことに思いを馳せた京都の夜でした。

京都のその後です

開封おじさん、襲来。in福岡

乱行パーティを調査すべく九州の地に上陸した変態。

集客に自信はありませんでしたが、九州にはどんな強ぇ奴がいるのか知りたかったので福岡でも開催です。

博識フォロワが貴重な資料どっさり持ってきてくれた

人数の集まりに反して、「あなたでしたか・・・!!」となるような、いつも通知のみで認知していたフォロワとの邂逅などが多かったこの回。

すごく優しそうな柔和なオジサンがいました。

小学校の安全見守り隊とかやってそうなほど柔和なオーラを纏っています。

笑顔がデフォなのかな?というような自然な笑顔に安心感すら湧きます。

「ゆきのさん、初めまして・・・」とうやうやしく挨拶してくれたその方は、FRIDAY持参とのこと。

わたしが袋とじで出てるFRIDAY

普段はアイドルを応援しているということで

(わたしも一応アイドルのはずなのですが、自称するとフォロワにめちゃくちゃ「は?」と言われるので自重してます)

「応援してます!」とファンっぽい対応をされ新鮮!

FRIDAY買ってくれたんですね〜〜というと、

「まだ開封してないんですけどね(照」

とのことで、オジサンきゃわ〜〜とか思っていました。

「後でご都合のいい時にFRIDAYにサインください!」

というので、多種多様な変態と交流を深めたのち、サインに向かいます。

近くに座ると、柔和な笑顔で申し訳なさそうに、

「あの・・・せっかくなんでここで開封してもよろしいでしょうか?照」

「え?もしかしなくてもそれ目的ですよね?」

そこは実践派かつ理論派、両面の変態わたし。

間髪入れずにその陰湿な変態性を暴いていきます。

あの照れくさそうな笑顔の裏にはかくも計画的な変態性が秘められていたのです・・・!

3ヶ月もの間買った本を開封せずにおくその忍耐、そしてチャンスを逃さず果敢に己のロマンスを実行する執着

かわいいだけのオジサンから変態的なオジサンへの変貌に、変態は密かに悦ぶのでした・・・

余談ですが・・・ 

全然オジサンじゃないですけど、京都イベントで着席よりも前に玄関先でタバコ吸ってる人がいて、「ち、治安わるうぅ・・・」って思ってたら、予告なしで突然きてた阪大生のオトモダチでした。

友達コレクションの深化が進んでいるようで嬉しい限りです。

怖い場所じゃないヨ!

もちろんもっと変態な方はたくさんいるのは承知の上です。

しかし、今回は個人的な趣味嗜好の都合で、「おじさん」ということと、そして「エモさ」ということに特化して、三選してみました。

そしてみなさん、怯えないで!

性の変態もくるけど、酒の変態、勉強の変態こと大学院生など、幅広く広い意味の変態もくる素敵なイベントですから誰でもウェルカムですよ!