本当にエロい人しか辿り着けない世界ー
SNSや変態スポットでも公には募集されていない世界ー
知ってる人が、「コイツは信用できる変態だァ・・・」と認めたときだけに開かれる口コミの世界ー
キューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』な世界が、この現実にもあるー
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こんにちは。変態です。
いきなりぶっちゃけると、「混浴サークル」という名目の、いわゆる「複数」・・・「乱○」ジャンルのサークルに潜入させていただきました。
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みなさんはこの、スワッピング・NTRなどを含む、「複数」というジャンルにどんな印象を持たれるでしょうか。
きっと「ふしだら」だとか、「倒錯(変態)」だとか、思われるのでしょう。
ぶっちゃけ私も潜入前日までめちゃくちゃビビってました。
このままどこか知らない世界に売り飛ばされて富士見ロマン文庫な世界に飛ばされちゃうのかな・・・
なんてびびり半分、期待半分・・・
ところがどっこい、行ってみればそこは「倒錯」どころか、「誠実」の世界だったんです。
今回はそんな、サブカルを真っ向から殴りつける真のアンダーグラウンド変態界に潜入させていただいた話をします。
ちなみに「乱○で逮捕」という話、どうやら「特定」であろうが「不特定」であろうが「多数(5、6人〜という説あり)」であれば「公然わいせつ」的にグレー、そして「参加費」をとると「売春防止法」的にアウツ・・・!ということらしいです。
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今回の潜入対象グループはあくまでその基準をクリアしたものなんだからね!!!!あったりまえでしょ!!!
公認された浮気の「誠実」
合流時間2時間前、アテンドしてくれる主催オジ様Aさんが運転してくれてるので大人しく茶でもしばくかと変態一行はキラキラスターバックスに入店。
先に席をとろうとウロウロしていると、朗らかな男女の集団がこちらをみていました。
「あー・・・」
変態は、日常生活の場で露出狂スレスレの格好をし、奇異の視線をあびることでしか息ができない奇病にかかっているので、その手の状況には慣れています。
しかし今日は様子が違います。アテンドのAさんが近づいていく・・・
そう、この朗らかで、一見「PTAの集会かな?」と思えるような集団が、「混浴サークル(仮)」でした。
ええ!?まるで裏で乱○してるとは思えませんね!?
と思わず直接的発言をしてしまう変態にも柔和な笑顔で応えてくれます。
とりあえず真っ昼間のスタバアで、馴れ初めなどを聞き、親交と前戯を深めたい変態は、特に物腰柔らかそうな女性Bさんに狙いを定めます。
どうしてこのサークルに入ったんですか?
彼に誘われて・・・照
最初は抵抗ありましたか?
ありました。すごく嫉妬して・・・
ですよね・・・!どうやって克服しましたか?
もともと私が輪姦に興味があって、そのきっかけで知り合ったのが彼で・・・照
いきなり真っ昼間のキラキラスタバアに相応しくない不適切発言が飛び出すも、「照」の姿勢を崩さないBさん。
なんで、複数っていうのも割と興奮しちゃって・・・照
困惑しながらも興味を抑えきれない変態は、
え?もともと変態だったってことですか?
と、思わずありのままの心をぶつけてしまいました。
(照)
「照」れば何でも通るってわけじゃあ・・・ないんだゼ・・・!とパーティちゃんを降臨させながらも質問を続けます。
でも、焼きもちの方はどうやって克服を・・・?
知らないところで浮気されるのは許せないけど、知ってるコミュニティの中で、それをきちんと知らされてっていうのなら許せるのかなって
(マゾヒストがお仕置きによって浮気を許されるのと同じ原理だ!!!)
かのマゾッホ紹介の古典的変態解説家(語弊)ドゥルーズが
『マゾヒストはじぶんに処罰を適用させることからはじめる。そして受けた処罰のなかに、じぶん自身を正当化してくれる理由、さらには法が禁止するとみなされていた快を味わうよう命ずる理由を、逆説的なしかたで発見するのだ。』
ジル・ドゥルーズ『ザッヘル=マゾッホ紹介 冷淡なものと残酷なもの』堀千晶訳、河出書房新書
と言ったように、マゾは処罰されることで自分の浮気の罪責感を正当化しうるのです!
そう、知らないところでの浮気はただの「不誠実」「欺き」ですが、
公認の浮気、それはもはやひとつの「誠実」の方法として機能しうるわけです。
そんなこんなで一旦サークルの方々と解散して、近くの本屋さんで脳みそを覚まします。
(その本屋さんも何癖もある変態本屋さんだったので後日紹介記事を出しますネ・・・)
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美しさを賛美する「誠実」
午後5時。スタバア→本屋ののち、集合場所のレンタルルームに到着。
扉を開けると、さっきスタバアでスーツに身を包んでいたオジサン一名が全裸で床になってました。
床にいたのではなく、床になっていました。
順応力に定評のある変態は、「お邪魔します」と微笑み、入室。
部屋は綺麗なビジネスホテル+キッチンという感じ。
ひとつ普通のビジホと違う点といえば、ベッドの数が少し多い(4つ)ことでしょうか。
いやいや、このサークルは先ほどもお伝えした通り、ごく少人数のものなので、ひとりひとつ使うくらいの感じなんじゃないでしょうか、ホントに、知らんけど。
サークルの方々の名誉のために補足しますが、全裸なのはオジサン一名だけです。他みんなきちんと服着てます。
というか全裸の方も言動は概ねきちんとしています。
みんなでおつまみやお酒を持ち寄る方式らしく、今回は訪問者のために色々と揃えてくれていました。
宴会開始。
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一つの変態話に様々な視点の変態からエピソードがより濃く追加される様はさながらR25版「酒のツマミになる話」です。
全裸のオジサンを中心に日本酒を飲みながら盛り上がる中、海外出身のカップルが到着。
場はさらに盛り上がります。
近いうちに日本語の試験を控えているアメリカ出身の彼に、絶対に出題されない単語を教え続ける全裸のオジサン。
真剣な表情でメモをとるアメリカ出身の彼。
近いうちにTOEFLの試験を控えている日本の変態に、絶対に出題されない単語を教えてくれる海外出身のみなさま。
真剣な表情でメモをとる変態。
馬鹿にしちゃいけませんよ。
クンニリングスのことを”going down”(口から下の部分に下がる)と表現するのなんて、なかなかに文学的じゃあないですか。
ちなみに大学の授業で知った ”Fosting the cupcake” =女性同士のクンニリングスっていう知識についての確認をとったところ、あまり認知度は高くないようでした。
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でも、ひとつの話題になったのでどんな知識でも役に立たないものなんてないって真理ですネ!
日本人たちが訪問者を気遣いなかなか宴会モードから抜け出せない中、海外カップルがシャワーへ。
出てくると女性の方は、それはもう日常生活では絶対に着ないであろう紐と紐が無意味に絡まり合う、それゆえに純粋な美を孕んだ下着に身を包んでいました。
『美しさに、内容なんてあってたまるものか。純粋の美しさは、いつも無意味で、無道徳だ。』
太宰治『女生徒』
無意味ゆえの美。あの手の下着にはそういう類のものが宿っているように思います。
拍手喝采。
拍手喝采。
実際に、拍手喝采でした。
みなさん、性行為の際に、異性の下着姿に拍手したことありますか?
大抵、ただ剥ぎ取るんじゃないでしょうか?
この空間はそういう意味では実に「誠実」なんですよ。
サルートだのトレフルだの果てはオーバドゥだの・・・
一着数万の下着を賛美してくれる「場」って、そんなになくないですか?
「可愛い服を見せたい」という感情と同じに、「可愛い下着を見せたい」という感情の消化場所があってもいいじゃない!
とにかく押すしかない男たち
その後の展開は、はやかった。
オセロ形式で脱ぎ合う男女。
ベッドルームに忍ぶカップル。
それを見に行く人々。
無邪気に下ネタではしゃぐ全裸のオジサン。
漏れるアダルトビデオのような吐息。
じゃれあう何本もの腕。
下ネタをあしらわれる全裸のオジサン。
バニラの匂いのカップケーキ。
個人差のあるニップルピアス。
チンチンに醤油をかけてる全裸のオジサン。
アテンドしてくれたオジ様Aさんはそれまで重鎮の如く団欒の和の外にいたのですが、
気づくととても激しいふたつのベッドの更に奥で、
ゆったりと、実にゆったりと腰をくゆらせていました。
集合前に車で話したAさんとの会話が思い出されます。
「自分のセックスの仕方がどうとか、気にならない人じゃないとダメかもしれませんねえ」
その言葉をしっかりと感じされるマイペースぶり。圧倒的余裕。
その模様を居間団欒グループに報告したところ、
「Aさんのは大きさが違うから・・・」
「俺たちはとにかく押すしかないとよ・・・」
という圧倒的悲哀名台詞をいただきました。
パーティも終盤、一人の女性の帰宅間際、
全裸のオジサンが「パンツ貸して」というとコンマ2秒で「いや。だって食べるやん」と女性。
え?「パンツ」と「食べる」って普通並ぶ言葉だっけ???
と思った直後、パンツがオジサンの口の中で消えました。
わかりますか?口の中に入ったパンツが、存在感を消しました。
まるで何も入っていないかのように、スンっとパンツが消えた。
「口に含む」ではない。「食べるやん」という言葉に嘘はなかった。
ラオウの「誠実」
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「誠実」って、欲望に蓋をすることじゃないんじゃないかなって今回思ったんです。
「複数」パーティって、カップルや夫婦で参加してる人が多くて、
欲望は誰もが持っているものであり、それに蓋をするのではなく、頑張って、意図的に「公認する」という試み、
それがスワッピングや、あるいはSMにおける「お仕置き」の本質なんじゃないかって。
そういう意味で、「誠実」というものは、「蓋をする」ことよりも、「公認する」ことの方に属してるんじゃないかって。
まあ、不倫や浮気の「隠すエロス」の方が、スワッピングの「嫉妬のエロス」より好みっていう個人の趣味嗜好はあると思いますが・・・
少なくとも「誠実さ」という面では、私のビリージョエル解釈が少し変わったとんでもない大きな出来事でありました。
要するに、「複数」の世界は、ラオウのこのセリフに集約されるわけです。
「くどい!!だれを愛そうがどんなに汚れようがかまわぬ 最後にこのラオウの横におればよい!!」
『北斗の拳』
結論
カップケーキは美味い。