コスプレ衣装といえば一見可愛いけど縫製の雑な粗悪品が多かったり、写真と実物が全然違ったりすることが日常茶飯事だったりするもの。そんなコスプレ衣装業界の中で、真向に独自のブランドを築きあげ、唯一無二の商品力でコスプレのプロフェッショナルから、裏垢女子まで幅広い指示を得たブランドがある。
それが、うしじまいい肉がプロデュースするプレデターラットだ。うしじまいい肉といえば、コスプレイヤー、グラビアアイドルとしての一面が一般的には知られているが、今回はそうではなく「起業家」、かつ「ブランドプロデューサー」としてのうしじまいい肉さんに迫りたいと思い、インタビューを実施した。
高橋P
Ponhuberとかのプロデュースをする人。エロトゲスの一応編集長?
Twitter→https://twitter.com/pornhubmasterx
うしじまいい肉
コスプレイヤー、グラビアアイドル。プレデターラットプロデューサー。
プレデターラット→https://predatorrat.com/
Twitter→https://twitter.com/prdtrt_shop
ぷれでたーらっとはどのようにして誕生した?
うしじまさん、初めまして!今回インタビュー受けていただきありがとうございます。
プレデターラットはいつから立ち上げられたのですか?
大体6年くらい前ですね。きっかとしては、自分のコスプレ用衣装を探す中で、小さい面積のパンツのサイズ感やデザインで満足のいくものが見つからなかったのがあります。プレデターラット以前のセクシー下着は海外の物で、サイズが大きかったり、逆に小さい物は股間が紐のようであったりで、当時の自身のレギュレーションに合うものがなかったのです。
どういうレギュレーションを決めてたのですか?
大陰唇と肛門の皺は隠したうえで、土手は筋が見える寸前まで、尻は肛門の皺が見える寸前まではOK、というのが私のレギュレーションだったので、これに基づいて商品を作ることにしました。
まさに、具体的なニーズから派生した商品だったんですね。名前の由来はなんだったんですか?
こうした業界ではコミケに出る際に、名前を2つ用意するのが慣例なんですね。私の場合、うしじまいい肉という名前と、もう一つサークル名があり。このサークル名がプレデターラットだったんです。それをそのまま商品ブランド名にしました。
うしじまいい肉の6年間の経営の軌跡
最近アパレルの分野ではインフルエンサーがブランドの顔になって立ち上げるD2C型のビジネスがかなり増えてきていますが、プレデターラットはその先駆者と言えると思います。そこで、ビジネスとしての側面についてもっと知りたいのですが、これまでの経営であった出来事などを教えてください。
まず、立ち上げの際はOEMで小ロットで作ってくれる工場探しから始まりました。1件1件電話をしていったんですが、その中で出来そうって言ってくれた工場があったんですよ。セクシー下着の製造元として評価の高いところで。
結構地道なこともしていたんですね。実際、工場に行ってみた反応はどうでしたか?
はい、当日はデザイナーにつくってもらった原型のパンツ1つだけ持っていきました笑。ポケットにいれて。当時、名刺もなにも持ってなかったんで、本当に所持品パンツだけでいったんですよね。
おぉ、なんか逆にカッコいいですね笑。
そしたら、すんなりOKもらえて。1ヶ月くらいで作れることになったんですよ。販売用のサイトも用意して。
最初はどれくらいの規模で始められたのですか?
商品点数は最初サイズ、色違い含めて20点くらいですね。1年くらいで200~300点くらいに増やしていきました。
結構順調そうですね。何か苦労したことってありましたか?
最初家にプリンターがなかったので、宛名書くのが地獄でした笑。100件以上の発送が手書きでしたからね・・・
あぁ、それは地獄笑
あとは、あるあるかもしれないんですが、自称経営コンサルタントにひどい目にあいました笑
それは詳しく聞いてもいいやつですか笑??
経営コンサルタントには気をつけろ笑
はい笑。その経営コンサルタントは、通ってたシーシャ屋で知り合ったんですよね。仲良くなってきたときに、「僕がコンサルしたらあなたの収入は簡単に3倍以上になる。」って言われて。それで、月の売り上げの15%でその会社と契約をし、サイトの運営やマネージメントを頼んだんです。
でも、実際にコンサルが提案してくる内容は具体的な内容がなく、ただ30万で広告を打とうといったり、うしじまのサイン会を付けて商品を売ろう、インフルエンサーにお金を払って着用してもらって宣伝しよう、といったありきたりのことばかりで。
SNSの運用もやってくれるって話だったのに、実際にはそれには追加で工数がかかるから、追加料金も発生すると言われて、「話と全然違う!」ってなりましたね。
一番希望していた通販サイトのリニューアルも、コンサル会社が作っっていったものが全然すすまず、8カ月も公開が遅れた上に、商品の文字検索機能といった必要な機能が付いていないようなダメダメなサイトだったんです。
そのため、クレームなども多く、運用に異常なストレスがあったんですが、コンサル会社には、何度も修正を求めたが最後まで修正されず。
あぁ、うしじまさんの怒りが伝わってきます・・・
また、コンサル会社が通販サイトを運営していた1年以上の間、サイトの商品別売り上げの記録や月次報告が無かったため、その間の商品別の売上は今も分からず、非常に困った事体となっていました。
結局、別の制作会社に依頼して通販を新規サイトに移行したところ、とても使いやすいサイトになり、売り上げが1.5倍になったんですよね。やっぱり変なコンサルの口車にのったらダメだったというのが教訓になりました。口が上手いやつは要注意です笑。
お疲れ様でした。そこから、ちゃんとV字回復させたうしじまさんもすごいですね笑。
そうですね。そのコンサルもなんですが、人って自分が期待したとおりに動いてくれることってまずないんですよね。相手にちゃんと動いてもらうには、自分がちゃんと物事を整理して、相手に100%伝わる形で詰めていかないと難しいんですよ。特に最初の信頼関係がお互いない状態では、ここに誤解が生じる余地がないくらい明確にして伝えていくのが私の仕事なんだって思いました。
プレデターラットの運営はどのような体制でやっているんですか?
うしじまが企画&発注を行い、サイト制作やECサイト運用は別会社に依頼しています。最初自分でやっていた発送と在庫管理も、現在は別の会社にアウトソースで依頼していますね。
あ、ではうしじまさん以外にスタッフはいないのですか?
そうですね。今はアウトソーシングで私は商品の企画と制作に集中できているので、スタッフを雇わなくても運営できていますね。なので特にオフィスなどもなく、私は大体行きつけのシーシャ屋で作業しています笑。
それは大分チルった感じの経営ですね笑。
プレデターラットの6年目の野望とは?
コスプレ衣装として確固とした人気を確立したプレデターラットですが、今後の野望ややってみたいことはありますか??
私がこれまで見てきたビジネスのルールは「ヤンキーを制するものがビジネスを制する」ってことなんですよね笑。学生のときは、ヤンキーとは全く正反対のところにいて、本当にいけ好かないと思っていたんですが笑。でも、ビジネスとなるとヤンキーってやっぱり「マス」なんですよ。彼らに刺さるプロダクトはやっぱりたくさん売れる。なので、ヤンキーの象徴ともいえる「ドンキ」にプレデターラットのコーナーを作ってもらうのがまずは1つの目標ですね。
たしかに、日本って都会以外ではほとんどが微妙にヤンキー的要素があったりしますもんね。
あとは、通販サイトやSNSの活用ももっとしていきたいと思っています。例えば、360度動画で品質や縫製の良さを伝えていけるようにしたり、通販サイトの機能をもっと充実させていったりもしていきたいですね。
プレデターラットの商品哲学の根幹にある「肛門耐久テスト」とは?
プレデターラットの商品作りのこだわりって実際はどんな感じなのでしょうか?
コスプレ衣装って多くがあまり実用面を意識してないものが多いんですよね。例えば、Tバックだと食い込みが激しくて肛門が痛くなったりするようなものって結構多いんですよ。食い込む理由としては紐の部分が細すぎるからなんですが、わが社の製品では必ず私が「肛門耐久テスト」を行った上で、最適な布面積を設計しています。
「肛門耐久テスト笑」。すごいパワーワードがでましたね。
たとえば、弊社の売れ筋商品の玉パンツはこれまで1500枚以上売れたヒット商品です。
こちらも筋と肛門が、真珠の玉によって適度に隠れるようになっています。
これは玉の数が9個なんですが、10個だと多すぎ、8個だと見えてしまうというのを色んなパターンで測定し、最適な数として9個を選択しています。そのうえで、履いた状態で外出して大丈夫か、も「肛門耐久テスト」として実施しました。
この商品を作った際には、私はこの玉パンツをはいた状態で5時間以上シーシャ屋で作業し、また移動では自転車をつかったのですが、それでも肛門等に対して痛みを感じることはありませんでした。こうした実際の着心地などにもこだっている点がプレデターラットの特徴だと思います。
思った以上に素晴らしい商品哲学をお聞きにでき、感無量です。肛門耐久テストが業界のデファクトスタンダードになって欲しいですね。今日はお話ありがとうございました。