【性春AV批評】そうさ、俺らは周回遅れ – FUCK-1グランプリ

【性春AV批評】そうさ、俺らは周回遅れ – FUCK-1グランプリ

星の数ほどあるアダルトビデオの中で、あなたは全編スキップせずに作品を鑑賞したことはあるだろうか?

前回のエピローグはお読みいただけましたでしょうか。

ぜひとも読んでいただいてからどうぞ。

https://erotogesu.com/2019/12/22/av-review-00/

記念すべき初回でご紹介させていただくのは私的企画AV史上最高傑作であるこちら。

「FUCK-1 日本グランプリ」

メーカー:SODクリエイト
監督:笠原正弘
発売日:2010/01/21
「FUCK-1」それはSODが持つ技術の粋を結集し誕生した陵辱型モータースポーツの最高峰である。女を陵辱するに相応しいマシン、歓喜する群衆、ピストンするディルド、電マは轟音を上げ、女はエンジンと化す。様々なチューニングを施されたマシンの壮絶なるデッドヒート!!2010年…一世紀にも及ぶモータースポーツ、その輝かしい歴史にSODが新たな一頁を刻む。

企画モノといえばソフトオンデマンド

もう10年近く前の作品だが、私のAVに対する視点を90度変えた作品である。

小澤マリア成瀬心美などの当時一時代を築いた名女優たちが繰り広げるあまりにくだらないこの企画モノのレビューをしていこうと思う。

オープニングで早くも襲う置いてけぼり感

タイトルにFUCKが入っていても伏字にならない国、日本

AVに限らず、映像作品というものは冒頭の数分が視聴者の視聴意欲に大きく作用する。

いわゆるツカミの部分である。

F-1グランプリをベースとした作品であることはタイトルから明解であり、普通の人間であれば、「レースクイーンもの」を想定しこの作品を手に取っているはずだが、

謎のグラフ

この作品は「あれ、、見る動画間違えちゃったかな?」と感じさせるオープニングからスタートし、アダルトな要素の片鱗はない。

アクメをエネルギーに変える技術を発見した人らしい

安っぽいグラフィックとともに、謎の専門用語が飛び交う。

お分かりのように、画面サイズがまだ16:9ではなく4:3

当時事前にパッケージやタイトルを見ていない状態でこの作品を見始めていたとしたら、この時点で見るのをやめていたかもしれない。
幸い本作品は有名女優たちが出演していたため、とりあえず中身を見ることにしたのであった。

そんなオープニングから、さらにおかしなものが登場し、単純な作品への好奇心が湧き出てくる。

カートのチューニング

オーガズムを動力に変えるという発明と、カートの型の説明10分以上を費やす大胆な構成に戸惑いを隠せない。

カートには様々な型が存在する

そこまでしなくてもいい

本編は予選のダイジェストからスタートするのだが、本物のサーキットに雨が降る中(しかも夜)、ヘルメットをかぶった全裸の女がレースをするというなんともシュールな戦い。

夜の撮影、アングルの遠さから、ほぼ男の見たい部分は見えないシーンが連続する。

暗い、遠い

思っていたよりカートの速度が遅い上、予選レースは各カートに差がつきすぎており、一度として1画面に2車体が映ることはなく、レースをやっている臨場感はまったくない。

その後決勝となるのだが、「このシーン必要だった??」と言わずにはいられないのだ。

女優を雨ざらしにしてまで、撮影する意味があったのだろうか。。
かなり過酷だったに違いない。

大量の映えシーン

決勝はもうどこをとってもツッコミどころだらけ。捨てシーンなど存在しない。

若かりしセツネヒデユキさん

エキストラの多さ、実況、スタッフの仕込み、カートの完成度。

ドラマチックなアングル

すでにあなたは股間から手を離しているに違いない。

FUCK-1グランプリにはたくさんのスポンサーがついている

そう。この作品は自慰用AVではなく、鑑賞用バラエティAVなんだ。

オナニストへの挑戦状

初めてこの作品を見た私は、自分の考える「AVの定義」がガラガラっと崩れ落ちていった。

それまで、「オナニーをするために見る」のがAVだと思っていたし、「抜けないAV」というのは自分の好みに合わないだけで、少なくとも前提として「誰かしらのオナニーのために作られた作品」だと思っていた。

しかし、この「FUCK-1グランプリ」はどうしても、オナニーをさせようと思って作られていると思えない。

熾烈なトップ争い

抜けるものなら抜いてみろと言わんばかりに、余計な要素たっぷりだからである。

文化人への第一歩

当時、私は野蛮人(このコラムでは、あらすじやストーリーを無視してAVを見る輩を野蛮人と呼ぶ。対義語は文化人)であった。

小学生の頃からマイPCを買い与えられていた私は、常に「消えないティッシュ箱アイコン」と格闘してきたし、毎日のようにCPZオンラインPunyu2Munyuのサンプル動画ダウンロードしするために、偽リンクやブラクラを踏みまくった。

CPZは見つからなかった

無料の動画サイトは軒並み知っていたし、yourfilehostやmegauploadで何時間もかけてダウンロードした動画が全然違う動画だったりしたこともあった。

そんな私がAVとともに人生を歩み、今こうしてアダルトメディアでコラムを書いているのは、この作品「FUCK-1グランプリ」があったからだ。

企画AVのおもしろさ、奥深さを知るきっかけとなったこの作品、もし興味があればチェックして欲しい。

FUCK-1 日本グランプリ

小澤マリア

300円~